FX・投資信託・不動産投資などなど、いまはサラリーマン向けの経済誌でも投資に関する情報で溢れていますが、その必要性がイマイチ分からないという方も多いと思います。
そもそも日本人は『貯める→使う→残す』は得意です。
子どもの頃を思い出しても、お小遣いやお年玉は貯めておくことを親から勧められて、それを1年かけて上手に使ったりしてましたよね。
ですが、貯めたお金を上手く投資するという感覚はあまりありませんし、両親に貯めることは教えてもらっても、投資について教えられたという方はほとんどいないんじゃないかと思います。
もちろん親世代ならば貯金だけでもよかったのかもしれませんが、現代を生きる僕たちは少し状況が変わっています。
今回の記事では、僕たちが貯金だけでなく投資にもチャレンジしていかなくてはいけない理由を分かりやすく解説していますので、参考にしてみてください。
この記事の目次
貯金だけだとお金の価値が減っていく
『貯金して使わなければお金が減るはずはない!』
そう思われるでしょうが、ただ貯金をしているだけでは間違いなくお金の価値は下がります。
何故かと言うと、物の値段が上がっていくインフレリスクがあるからです。
小さい話で言うと、前は1本100円で買えていた缶コーヒーも今では130円ですし、タバコも250円で買えていたのが現在では450円ほどします。
もちろん消費税が上がった影響もありますが、10年前は1万円で100本の缶コーヒーを買えていたのが、今では77本しか買えないわけですから、同じ1万円でもその価値は10年前より下がっていると言えます。
同じ缶コーヒーを100本買うためには、10年間で1万円が1万3千円に増えてなくてはいけませんが、残念ながら今の銀行の金利は0.03%ほどなので、1万円を預けていても10年で30円しか利息がつかない計算になります。
なので、ただお金を預けているだけでは、時間とともにお金の価値が減っていくということを知っておいてください。
長期投資には複利の力がある
貯金だと時間の経過でお金の価値が減ってしまうと書きましたが、長期投資であれば逆に時間をかけることで少しずつお金を増やしていくことができます。
それは長期投資には複利の力があるからです。
複利とは簡単に言うと、投資で得られた収益を再投資することで元金が積み上がっていく仕組みのこと。
例として年利5%の金融商品に100万円投資している場合、毎年収益を受取る場合(単利)と、再投資する場合(複利)でどう変わるのかを計算してみます。
1年後 | 5年後 | 10年後 | 20年後 | 30年後 | |
---|---|---|---|---|---|
単利 | 105万 | 125万 | 150万 | 200万 | 250万 |
複利 | 105万 | 127万6000円 | 162万9000円 | 265万3000円 | 432万2000円 |
10年ぐらいだとあまり変わりませんが、30年で比べると180万も差が出ますので、複利の力がいかに凄いかが分かります。
年利5%というのはけっこう現実的な数字なので、ただ貯金している場合とは違い、時間を味方につけることができるのも投資の特徴です。
老後に必要なお金と年金の問題
60歳〜85歳の25年間に夫婦2人で必要なお金は、年金以外で3000万〜4000万と言われていますが、正直言って退職金がきっちり貰える人以外はなかなか厳しい金額ですよね。
また、日本は2050年には人口が1億人を切ると予想されているぐらい少子高齢化が進んでいるので、僕たちの老後には今よりも年金の給付額や期間が改悪されている可能性は十二分にあります。
そこで注目したいのが先ほどの複利の力です。
若いうちからコツコツ積み上げておいて、老後に5000万の元本が用意できていれば年利5%でも250万は使えることになりますから、元本を切り崩すことなく生活していくことも可能になります。
貯金で5000万は厳しくても、30年という時間のレバレッジをかけて、少しずつ資産を積み上げていけるのも投資のメリットです。
とはいえまずは月収6ヶ月分の貯金から始めよう
複利のことを考えると一刻も早く投資を始めたくなってしまいますが、どんなにリスクが低い金融商品でも投資ですので、まずは自分の月収6ヶ月分は貯金をしておくことをおすすめします。
年収300万円の方は150万円ですね。
生活費6ヶ月分の貯金があれば、退職や病気での入院などのアクシデントがあっても、失業保険や生命保険と組み合わせて生活を立て直せる余裕がもてますので、投資を始めてからもこのお金は手を出さずに必ず残しておきましょう。
あと、何かあった時のためにお金を確保しておくという理由以外にも、投資を始める前に毎月きっちり貯金できる体質にしておくとこともかなり重要です。
というのも長期投資の場合、毎月少しずつでも積み上げていくことが肝心なんですが、お金が足りなくなるたびに解約していては何の意味もないですからね。
毎月数万円でも貯金できるようになっていれば、6ヶ月分の生活費が貯まったあとに無理なく投資を続けることができると思います。
関連 まずは月収6ヶ月分を目指す!貯金ができない方にもおすすめの方法
自己投資も投資!
投資信託であれば月5000円から積み立てられるものもありますので、貯金しながらでも投資を始めたほうがいいと思う方もいるかもしれませんが、ハッキリ言ってそのぐらいの額なら自分に投資したほうがいいと個人的には思います。
お金に投資するのも大事ですけど、自分を成長させてより稼げる自分になるというのも大事ですからね。
1万円あればビジネス本を数冊読むこともできますし、人に会ったり、普段は行けないお店で食事をするのも自分の経験値になります。
複利は時間というレバレッジを効かせられると書きましたが、自分自信に投資して成長させることも忘れないようにしてください。
長期投資には投資信託がおすすめ
冒頭にも書いた通り、同じ投資といっても様々な種類がありますが、長い時間をかけて少しずつ積み上げていくなら投資信託がおすすめです。
投資信託のメリットには以下のようなものがあります。
- 毎月少額から投資ができる
- 1年に1回見直す以外はほったらかしでいい
- 日本だけでなく世界中に分散投資ができる
投資信託であれば月5000円からと自分の状況に合わせて積み立てができますし、投資信託自体が日本株式・世界株式など分散投資をしていますので、1つの銘柄を買うよりも値下がりリスクなどを減らすことにも繋がります。
また、普通の株式投資だと株価の上がり下がりに一喜一憂して時間が取られがちですが、投資信託であれば運用はプロがやってくれるので基本的にはほったらかしで構いません。
※プロが運用するから安心という意味ではなく、運用にかかる時間を任せられるという意味です。
ただ、積み立てを開始してからは任せるということは、どの投資信託を選ぶかということが重要ですので、この点は何となくではなくしっかりと知識をつけてから購入しましょう。
銀行や証券会社の窓口で投資信託を選ぶのは危険!?
投資信託を選ぶといってもどれがいいのか分からないので、まずは銀行の窓口で話を聞いてみよう…
こう考えるのは自然なことですが、こと投資信託に限っていえば何の知識もなく銀行などの窓口に行けば、買ってはいけない投資信託を買わされてしまう可能性もあります。
というのも銀行で投資信託を申し込んだとしても、その投資信託の運用はファンドという外部が行っていて、銀行側はそれを販売しているだけ。
つまりは販売代理店のようなものです。
もちろんこちらのメリットになる投資信託を勧めてくれる可能性もありますが、銀行側が売りたい、販売手数料が稼げる商品をその気になって買わされてしまうこともあるので注意してください。
投資信託に関する最低限の知識はつけよう
いくら投資信託が初心者でも始めやすい投資だといっても、お金を投資するわけですから最低限の知識はつけてから始めるべきです。
今回は僕が実際に読んだ、初心者でも分かりやすい本をご紹介しますので、まずは目を通してみてください。
「貯金生活宣言」が大ヒットした著者の投資本です。
あくまでも貯金の延長線上として投資を考えていて、できるだけ低リスクでお金を増やすことを目指した本なので、コツコツ派の方にはピッタリだと思います。
「セゾン投信」を運営している中野社長が書いた投資信託本。
もちろん自分の投資信託もおすすめされているんですが、投資信託を選ぶ上で見ておくべきデータとその理由がしっかり説明されていますので、かなり勉強になります。
「ドラゴン桜」を書いた三田紀房の「インベスターZ」もおすすめです。
漫画なんですが、株式投資の仕組みや考え方を楽しみながら学ぶことができますし、経済に関する雑学も出てきたりして普通に面白いですよ。
まとめ
投資にはもちろんリスクがありますが、ご紹介したように時間をかけてコツコツ積み立てていくことで、将来差が出てくる可能性があるのもまた事実です。
先行きが不安な時代だからこそ自分で知識をつけて、お金に左右されない人生を手に入れていきましょう!
それではまた!!